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こそけん所長コラム



new12: たばこ

もう 10 年以上前のことですが、ある人気お笑いタレントと人気グループの一人 が繰り広げる特別番組の中で、二人が喫煙しながら楽しくお笑いトークをしている場面を見て、未成年者の喫煙について、メディアも協力して欲しいなと残念な気持ちになったことがあります。
子どもたちに、タバコの健康への害につていくら教えても、健康的で魅力的なタレントや俳優が喫煙しているシーンを見れば、健康被害のことなど考えるはずはなく、きっと格好いいな真似したいなと思うだろう。好感度の高いタレントや俳優が禁煙を促すコマーシャルをしてくれたらどんなにか効果的だろうと。

時代は変わり、健康に関する番組が増え、タバコの健康被害についての知識が広まったと感じます。また、ドラマなどでの喫煙シーンもかなり減りました。

さて、2013 年の JT の「全国たばこ喫煙者率調査」では、成人男性の喫煙率は 32.2%(前年比 0.5 ポイントの減少) で、喫煙率の高い年代は 40 歳代 (41%)。成人女性は、喫煙率 10.5%(前年比 0.1 ポイント増加) で、喫煙率の高い年代は 30 歳代 (14.5%) だったそうです。

しかし喫煙人口の推計値からみると、男性は対前年比 27 万人の減少となったのに対し、女性は 6 万人の増加となったとのことです。
若い女性の喫煙率の増加は、青少年の喫煙と同様に、世界各地で大きな問題として取り上げられています。

一時より喫煙妊婦は減っているように思います。喫煙による胎児への影響や妊娠中のリスクについて、知識が広まったためでしょうか。
ただ妊娠が分かったので禁煙したとういう方が意外と多いように思います。そして中には、妊娠中には禁煙したても、産後に再び喫煙するようになったという方も少なくありません。
理由の多くは、育児ストレスと言われます。
でもそれは間違いであることに気づいて欲しいです。

「ストレスでタバコを吸う」のではなく、タバコを吸った後の気持ちよさを知っているから、まず吸っています。そして「タバコを吸ったことでまた吸いたくなる」の繰り返しです。吸いたい気持ちを抑えられず、イライラします。このイライラをストレスと言ってごまかしているのです。
ズバリ ! これはタバコの中毒なのです。

育児のストレスは喫煙では解消できません。
周囲に協力してもらい、少し楽ちんな子育てを工夫しましょう。
いまは、自治体の子育て支援も充実してきています。身近に相談する人がいなければ、専門家に自分から進んで相談しましょう。
一人で解決しようとしないでくださいね。相談することは、恥ずかしいことでもなく、いけない事でもありません。

「たばこの煙は子どもへの虐待」とまでいわれ、喘息・呼吸器疾患 / 中耳炎の原因や、乳幼児突然死症候群 (SIDS) の誘因となるといわれています。さらに身長の伸びが悪い、知能指数も低くなる、虫歯が増える、成人後の発がん率が高くなるなどもいわれています。また、喫煙妊婦から生まれた赤ちゃんの尿中に発がん物質が含まれていたという報告もあります。
できれば妊娠する前から禁煙し、その後も禁煙し続けて欲しいです。

一方、中央調査報によると、日本の中高生の喫煙経験者は減少してきていますが、安心はできません。
小学生の喫煙報告もあります。低年齢からの喫煙は、少量であっても習慣づき、より強い刺激を求めるようになる恐れがあります。
また喫煙する中高生には、人間関係の希薄さなどの問題を抱えているという背景もあるといわれていまです。

周囲に喫煙者が多くいると、子どもも喫煙する傾向にあるようです。
喫煙は免疫力を低下させます。ちょっとした風邪はもちろん、インフルエンザ感染リスクも高くなります。
受動喫煙による影響防止に、分煙することはいうまでもありませんが、自分の健康のために、ママもパパも、できれば喫煙している祖父母も禁煙して欲しいと思います。

(メディカルアイズに掲載)
http://www.medicals-i.com/article/249