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こそけんコラム
34. トイレトレーニング②

34. トイレトレーニング②

人間の赤ちゃんにはどうしておむつを着けるのかというと、おむつを着けることで汚れる部分を少なくし、洗濯物をできるだけ少なくするためです。
ではおむつはいつ替えるのでしょうか ?
自分がおむつを着けられていると思って考えると、ウンチやおしっこが出たらすぐに替えてほしいですよね。
紙おむつが出始めたころの CM に「おしっこ 3 回分吸います」というような宣伝文句がありました。たっぷり吸ったからそろそろ替えようかでは、赤ちゃんはどんな気持ちでしょう ? またそれに慣れてしまったらどうなるでしょう ?

赤ちゃんは、ウンチやおしっこが出たら「気持ち悪いね、すぐにきれいにしようね」と言っておむつを替え、「気持ち良くなったね〜」と繰り返し言葉で伝えられることで、気持ち悪さや気持ち良さを体験と言葉で感じ取ってくれます。
これもトイレトレーニングの 1 つではないでしょうか。

例えば犬は子犬がウンチやおしっこをしたら母犬が舐 (な) めてしまい、子犬のお尻もきれいに舐めます。犬は親と過ごす時期が半年もありません。どこで教えられたわけでもないのに、母になると子犬の体を舐めまわし、排せつ物は舐めて処理します。
上野動物園元園長の中川志朗さんは『パンダは舐めて子を育てる』の中で、このような動物の行動を「何百万年という種の歴史の中で自然に体得された知恵というべきものでしょう」といっています。
さて、人間が自然に体得した知恵はどうなっているのでしょう ?