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こそけんコラム
23. 笑って子育て②

23. 笑って子育て②

がん治療にも“笑い”が取り入れられているように、笑うことは私たちの体に良い影響を与えてくれます。例えば、笑うことで脳の神経伝達物質・セロトニンが活性化され、元気になります。また副交感神経優位になり、安らぎや安心感を感じストレスが解消されるなど、たくさんの免疫学的効果が あるといわれています。私たちは条件反射により、笑顔をつくるだけでも脳が“笑った”と認識しセロトニンが増えるので、無理に笑顔をつくり笑い声を出すなど、形から入っても良いそうです。

では、赤ちゃんとお母さんに“笑い”はどのように関係しているのでしょうか ? 医学博士・高柳和江先生は著書『笑いの医力』の中で、母親の赤ちゃんに対する行動を以下のように説明しています。
「子どもは甘えるのが当たり前だけれども、最初から甘えることを知っているわけではない。親がそれを引き出す行為をして、その心地良さを知るようになり、子どもが甘えるようになる」

例えば、親は赤ちゃんと接すると自然と赤ちゃん言葉になります。このような親の行動を「退行」と いいます。このとき母親はとてもいい笑顔をして、“わが子を幸せにしたい”と抱き、あやし、世話をします。その行為が子どもの“甘える心”を引き出し、安心感を感じる脳ができていくのでしょう。
授乳をしながら「おいちいね」「ママだよ」、抱っこをしながら「良い子ね」「気持ちがいいね」などとわが子に語り掛ける言葉は、自然と出てくるものです。

笑顔でわが子を抱きあやすことは、子どもにその心地良さを教えるとともに、母親自身も幸せを 感じることができるのです。
そしてその時間は、赤ちゃんもお母さんも幸せだと感じるすてきな時間です。周囲もそのおすそ分けをもらって幸せな気分になります。
このような時間が、ずーっと続いてほしいものです。