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こそけんコラム
20. 心の甘え

20. 心の甘え

人は皆、何歳になっても情緒が不安定になることがあり、自分の信頼する人への「甘え」の感情が 起きるものです。これは「心 (情緒) の欲求」です。
そんなとき、信頼する相手から良い接触を与えられると満足し、情緒は安定してきます。「安心感」は、自分は愛されて大切にされている、という「存在感」となり、それは心の基本となることは前にもお話ししました。

「安心感 (基本的信頼感)」は、子育てスタート時期に大切なことですが、子どもは成長過程のいろいろな場面で情緒不安が出現します。
そして、甘えの相手はたいてい母親です。なぜ母親かというと、子どもは胎児に戻って保護と愛情を確認するのだそうです。つまり子宮の中でしっかり守られていて、安心していた状態にできるだけ近い状態を望んでいるのです。
子どもは、母親にしっかり抱きしめてもらい (タッチング)、ゆったりとした時間を過ごすことで 満足します。

この「甘え」の感情が満たされていれば、その後の人生に立ち向かう土台ができます。満たされなければ、表面には出なくても潜在的に残り続けます。
親に対して甘えられなければ、友達や先生に甘えをぶつけます。
もし受け入れてくれる相手が いなければ、欲求不満が周囲への八つ当たり、自損行為、他損行為という行動になって表れることが あります。

「心の甘え」はモノ (物) ではありません。何となく子どもに情緒不安な様子を感じたら、ギューッと抱きしめてあげてください。そして家事は後回しにして、わが子とゆったり過ごしてみませんか ?
時間に追われる毎日、大人も心の甘えの欲求はありますが、それが満たされにくい時代です。せめて子どもの「甘え」を受け止めるゆとりがほしいものです。