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こそけんコラム
8. 親は無免許運転

8. 親は無免許運転

躾 (しつけ) とは漢字の部首で分かる通り「身を美しく」という意味です。広辞苑によると、礼儀作法を身に付けるということですが、幼児期のしつけは日常生活の基本的行動 のことをいいます。

基本的行動とは、摂食・排せつ・衣服の着脱・睡眠などです。自分自身を振り返ってみると、わが子の「しつけ」は失敗しながらどうにかやってきたと思いますが、なぜでしょうか。それは「親は無免許運転 (平川洋児語録より)」だからです。誰もがそうです。親になって良いという 線引きは何もありません。「親がして見せていることは手本ではなく見本である (平川洋児語録 より)」といわれるように、完璧な親など存在しないのです。それなのに子どもに理想や完璧を求めるがあまりに、親は悩み苦しみ、ときには感情的になってしまう のです。

また「母親たちが苦労するのは、昔のように祖母から母へ、母から娘へと子育てのコツ・ノウハウが 伝授されていないから」(信千秋著「甘えのルール」より) といわれます。文明の進化により情報は 得やすくなりましたが、実際は過剰・多様のため選択できずに迷っているのではないでしょうか。
しかし親には免許はありませんが経験はあります。身近な先輩ママ・パパに経験を聞いてみること です。特に失敗談を聞くと「そうか完璧な親はいないんだ」と気持ちが楽になるでしょう。親として忘れてはいけないのは、わが子に「あなたが大切、あなたを一番愛しているよ」とメッセージ を送り続けることなのです。