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こそけんコラム
6. いろいろな場面でのタッチング

6. いろいろな場面でのタッチング

前回は本能での育児行動として“タッチング”を紹介しましたが、実はタッチングは人生のあらゆる 場面において必要であり、また無意識に行っている行動でもあります。言葉では伝えられない愛情 表現で、それにより相手に「安心感」「存在感」を与えるすてきなものです。

子どもが 3 歳くらいになると、親は知らないうちに「〜してはいけない」「〜しなさい」「だめで しょう」など、何事も言葉で済ませようとしてはいないでしょうか。そして言うことを聞かないと しかってしまいます。特に下に弟や妹が生まれた時期に多く目にします。
やっと言葉が分かるように なった子どもに、“言葉の意味”が本当に分かるはずがないですね。「あなたが大切、あなたを愛している」とタッチングで表現してあげると、不思議と子どもの情緒は 安定します。年齢に関係なく、何となく子どもの様子がおかしいなと感じたら、タッチングをして みてください。

大きくなるにつれて照れくささがあり、子どもは嫌がるそぶりをしますが、本当は とってもうれしいのです。子どもを根気よく「大好き」と抱いてあげましょう。思春期になるとなかなか「抱く」というわけにはいかなくなりますが、そんな時は「握手」をして みてください。

親としては、いつまでも子どもは子どものままでいてほしいのですが、いつかは自立していきます。自立しなければならないのです。そして自立するには「安心感」「存在感」が必要です。
タッチングにより存在感を確認し、自分の未来に向かって「もう大丈夫、支えはいらないよ」と 子どもの方から自立していくのです。親はちょっと寂しいのですけれどね。こうして自立した子どもが、やがて親が年老いたとき、優しくタッチングを返してくれるでしょう。