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こそけんコラム
12. 事件

12. 事件

先日の事件は本当に悲しく怒りさえ感じます。
命を奪われた子どもとその家族は何処に気持ちをぶつけてよいか分からない、いまだに現実を理解したくないやりきれない心が、私たちにも伝わってきます。
私は加害者の少女から、大人たちがこれから考えていかなければならないことをいくつか感じました。
一つめは、インターネットや携帯電話がものすごいスピードで進化していますが、周囲の大人は子どもたちがどれだけ使いこなしていて、どんな使い方 (利用) をしているのかきちんと把握し、また利用上の注意を丁寧に教えなければならないということ。利用の仕方によっては危険を伴い、相手の顔が見えないことの難しさや危険性をきちんと教えなければならないということです。
二つめは、早くから子どもを大人の世界に引っ張り込んでいるように思います。最近の社会は大人が幼稚で子どもが大人びていると感じませんか。実際には子どもたちが難しい言葉や情報の本当の意味を理解しているのか疑問です。話し言葉にしても、書き言葉にしても、とても子どもから発せられた言葉とは思えない難しい言葉を使っていますし、あまりにも簡単に使っているので怖くなります。大人が子どもの言葉づかいにもっと注意を払わなければならないのではないでしょうか。
三つめは、子どもの発達リズムの移行期を大切にしなければ現実と非現実をきちんと捉えられないのではないかということです。思春期を迎える前の時期の体験や家族との関わり、遡れば生まれてから三歳までの時期の適切な関わりがなければ心の発達はしないだろうということ。詳しくはマザリー教本 (マザリー産科婦人科医院の指導本) の楽しい子育てのはじまり「こそこそ子育てばなし」をごらんください。
四つめは、親のしてやることは勉強をさせることではなく、子どもに、この世の中にはあなたを一番愛してくれて、大切にしてくれる人がいるという心の安心感をうえつけること、安心する場所、居心地のよい場所をつくってあげること、子どもの喜怒哀楽を共に感じてやること (共感) が大切だということなど、私たちは再認識しなければならないと思いました。